稲船塾に参加しています

前回、アイディアの発想に定石はないと書きましたが、
稲船塾という講座に参加してそこに真正面から取り組んでいます。

稲船さんはゲームクリエイターで、コンセプトというものに高い価値を置いた作品づくりを提唱されている。
そこに関心をもちまたその価値観に共感して応募したところ運よく参加することができました。

6月中旬から3.5カ月のスケジュールで、だいたい1ヶ月経ったところ。
何がおもしろいの?どんなおもしろさがあるの?でひたすら頭ひねっています。

正直、”おもしろいものを産み出す発想方法”というのは、まだはっきりとした解を自分の中では持てていない。
ただ少しずつつかんできたこともあるので、現時点の授業内容の整理を多少自分なりの解釈を交えてまとめてみます。

RPGのおもしろさ

私はシミュレーションとRPGが好きなんですが、とくにFC/SFC時代のものが大好物です。
FFを例にとってみると、3が一番好きです。2や5も好き。
これらではゲームを進めていくと自由に動ける世界がどんどん広がっていくのが好きでした。
始めは限られた地域をちまちま行き来していたのが、船や飛空艇を手に入れ、海や空や地底などいろいろな世界を旅していく過程にわくわくしていました。

いったいどんな感情が動いているのでしょうか。
冒険心といえばそうですし、未知の世界の好奇心ともいえますね。

欲望という軸からみる

もっと深層心理的なことに言及すると、昔どこかで聞いた話だけど、
男は奥にいきたがるという習性があるそうで、男子トイレで小便器が並んでいる場合に奥から埋まっていきがちであると。
生殖本能なわけですが、冒険心ってこういうメタファーなのかもしれない。

もしくは日常とは違う世界を認識することで脳細胞の活性化というのもあるかもしれない。
小さい頃は隣町にチャリんこで足伸ばすだけでもドキドキわくわくしていたものです。

稲船先生はこれを”欲望”という言葉で表現しています。

因数分解と連想で広げる

こういうゲームの楽しさの根底にあるものを押さえて、
連想したり因数分解します。

仮にテーマを「未知の世界を知る」とします。

未知の世界 ならば、海や宇宙もあるし古代や未来、空想的に幻獣界やら死後の世界なんてのもあるでしょう。
もっとミクロにアパートの隣の住民なんてのでもいいかもしれない。
男にとっては女子高なんてのも未知の世界です。一方、中学時代に裏ボタンや改造制服で盛り上がっていたら、
とある女子に何がおもしろいのか不思議がられて質問されたことを思い出します。
彼女にとっては不良の世界が未知の世界だったわけです。

未知の世界をもっと分解して、世界じゃなく未知の道具としてみましょう。

RPGでは剣や魔法が登場しますが、野菜だったらどうなるか?
野菜で攻撃しても敵を倒せないから、野菜の匂いでさまざまな虫や獣を呼びよせて戦わせるとか。
バトルじゃなくて、野菜だけで家造りもなんてのもメルヘンです。
空き缶でつくったオブジェなんてのが現代アートにありますね。

発想したものから選択する

こうやって話を広げるのはいくらでもできそうですが、けっきょく何にするのよ?って決めるのは難しいものです。
チームを組んでコンセプトというのを考えていますが、今まさにそんな状況にあります。
まだこちらについては稲船塾では明確な答えは教わっていません。

みんなでいろいろ話し合っていき、みんながそれおもしろいね!って収束してくる場面がくるまで話し合うというやり方。
ゲームシステムは既存の文法でどんなキャラや目的を載せるかならば、こういうのが幸せな気がします。
一方、個人的にはこれって最大公約数になりがちというか、既存のフォーマットから外れたアイディアほど潰してしまいがちだと思っています。

「10人中5人がおもしろいって言うのはすでに時代遅れである」*1という話に真理を感じています。
多数がおもしろいねって言えるのはすでに似たようなものがヒットしていて判断しやすいからだということです。
新しい遊び方だと聞く方も何をもって判断すればいいかわからないですよね。

おもしろさの原点に戻る

では、何を基準にするべきか。
ここで始めに抽出した欲望というものに戻るんだと考えます。
なぜなら欲望というものは普遍的なもので、欲望から説明されれば斬新なアイディアでも判断しやすい。
当初はアイディアを発想するために導きだしたものですが、これは出てきたアイディアを
埋もれさせないために他人を説得するためのロジックにもなるという考えです。

「この企画は○○のような楽しさを実現するために××というアイディアを企画したものです」
と説明できるようになれればしめたものです。

多少なりともプロセスは整理できてきたので、次は発想の着眼点についてもまとめてみます。