モンドラサービス終了でMOスタイルのゲームが長くサービス続けるための秘訣を考える

http://monsterdragon.jp/info.php?info_id=8064

もう1ヶ月前だが、とても残念なお知らせだった。

このゲームはブラ三以来のギルドどっぷり、つまりチャットで四六時中わいわいやるくらいハマったゲームだった。

良かった点はいろいろ上げられる

  • シミュレーションRPGの1ユニットが1プレイヤーになるというシステムデザイン
  • レアリティが高いカードは変わったことができる、低レアリティは使い勝手がよく、どんなカードにも使い道が用意されていたこと
  • ギルド内の連携錬度を高めることによって課金パワーが無くても戦えること

とにかくファーストインプレッションはシミュレーションRPGの1ユニットが1プレイヤーになるというシステムだ。
これにビビっときてCBTに応募したのが私がこのゲームと出会ったきっかけである。
一方でもう一つの軸である戦闘でTCGが採用されてる点については、このゲームで初めてTCGで遊ぶことになった。
本格的に始めることにしてから、1,2週間くらい必死にカードリストとにらめっこして丸暗記したことはいい思い出だ。

ギルドのチャットが活発だといろいろなことが起こる。
初めて参加した上位ギルドでは加入1ヶ月もたたないうちにクーデターのようなものが起こった。
ギルド間の感情対立による闘争も1年目は実に激しかった。
馬鹿話や雑談で延々IRCでおしゃべりするのは実に楽しい時間であった。

運営は1年目の2012年から試行錯誤を繰り広げていた。
TCGというシステムとアイテム課金(ガチャ)の相性の悪さが根本だったと捉えていた。
さらにMOスタイルで基本対人試合をひたすら繰り返すスタイルだから、
ぐんぐんレベルが上がって強くなっていくっていうRPGの快感を提供できない仕組みなわけで。

2012年12月「SURVIVE」アップデート、2013年7月「Re:build」アップデートは実にチャレンジングな内容だったと思うが、常にマネタイズをどうにかしたいというビジネス要求とのジレンマがうかがえたものだった。

2012年12月「SURVIVE」アップデート内容
▼新モード「サバイバルアリーナ」
▼新システム「クリスタルアームズ」
▼新システム「ウィークリーチャレンジ」
▼新システム「ギルドウォーチャンピオンシップ」

2013年7月「Re:build」アップデート
新コンテンツ「勢力戦」
新要素「メダル」システ
新コンテンツ「バトルアリーナ」
新要素「サブ属性」

とくに2013年のレイドボスは特効カードの導入と併せて、
プレイヤー間ではさまざまなネガティブな反応が引き起こされた。

LoLスタークラフトのようなMOスタイルのオンラインゲームに比べて
飛躍するためにモンドラは何が足りなかったのか?

一つの答えは、長く繰り返し遊び続けるにはゲームメカニクスに欠点があったと考えている。

マス目のマップをベースにしてるから、スポーツ競技性が成り立つほど反射神経の必要性や自由度が少ないため、大会が成立するほどのプレイヤースキルの差は生まれなかった。
一方で、ぐんぐんキャラクターが成長する、もしくは特定のキャラを育成し続けるという要素がTCGのシステムによって縛られてしまっていたことで、オンラインRPGを長く続けるモチベとなるキャラ育成の魅力も見い出しづらかった。

収益性やサービス展開についてはもっと事前に練っておく必要があったのではと感じている。
例えば定額課金的な仕組みのほうがこのゲームには合っていたので、オークションの実質月額化は初めから投入してもよかったのではないか。初めからそうであればもう少しアレルギー反応も薄かっただろう。
ユニットの成長について、マップ兵器の投入やコマンダーの投入はよかったと思うが、その後のクリスタルアームズやメダルは判断が難しいものだった。
このあたりも成長要素の設計として、前述の定額課金的なビジネスモデルの設計と合わせて(つまりガチャに頼らないマネタイズ)行うことによって、ユーザーが長くこのゲームに付き合うモチベーションとしてもっと上手く追加投入できたのではないか。
(コマンダーはもっと深い育成システムを導入できたのではと思うし、メダルシステムが1年目に投入されていたら違う展開があったかもとも思うし、PPによる半端な育成はわずらわしいだけだった。)

スポーツ競技性はシミュレーションRPGインターフェースを採用している以上は限界がある。
あくまでキャラクターが成長するから強くなっていくというゲームメカニクスの上で、他プレイヤーとのギルド連携の錬度が最上位の勝敗を左右するという方向性ではないだろうか。
だから、(TCGのカードをガチャで入手するのとは別に)キャラクターの成長要素を定額課金的なマネタイズ設計と絡めて投入することによって、もっと多くの人に門戸を開いたサービスが作れる気がするのである。
シミュレーションRPGのマップでマルチプレイヤーでワイワイやれるのはほんと楽しいから。

3DSに電話ついちゃえばいいのに

と最近思ってる。

スマゲのリッチ化進んで一人遊びに耐えられるようになってるって話だけど
俺は全然そんなことなくって(おもしろいと思わない)、
3DSのゲームをやってると一人遊びできるゲームに夢中だった頃の息遣いを感じます。

じゃー3DSに電話やメール機能つけば一台で済むじゃん。

オンゲは濃密なコミュニケーションによる悲喜こもごもが何よりの娯楽です。
たしかにドラポやブレフロはおもしろいです。
スマフォならではのオンゲが展開されていますね。
でも別に3DSでできるよねという逆転の発想(投げやり

まあこの状況は自分にとっては好都合で、
スマゲをつくるにあたってスマゲばっかりやってても施策レベルの学びしか得られないと思います。
近いけど別の土俵の3DSをたくさん遊んだほうこそ役に立つはずである。

任天堂社長が訊くシリーズのインタビューは原石の宝庫です。
ここには原点に立ち戻ったゲーム作りを試みている人たちがいっぱい出てきます。

スマゲはビジネスといったん別れる覚悟が必要なんじゃないだろうか。
企画はやはり娯楽ありきで追及して、そのあとマネタイズはクリアできるだろうか?と反証する順番でええと思います。

無理やりアイディアのとっかかりをつくるための4つの視点

アイディアの発展のさせ方と整理の仕方をまとめてきました。

では最後に。何をトリガーに開始していけばいいのか?
ある日起きたら突然頭に閃くなんて神の啓示が人為的に引き起こせればいいけどそんなこたーはできっこない。
閃き自体は誰にでもそういう機会はあるだろうけどいつ来るか待ってられません。
多少の人為的なトリガーが必要です。

トリガーもしくは着眼点についても自分の解釈も交えつつまとめてみます。
ちなみにこれはゲームだけでなく、マンガ・映画・本など幅広く通用するものだと思います。逆もまたしかり。

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稲船塾に参加しています

前回、アイディアの発想に定石はないと書きましたが、
稲船塾という講座に参加してそこに真正面から取り組んでいます。

稲船さんはゲームクリエイターで、コンセプトというものに高い価値を置いた作品づくりを提唱されている。
そこに関心をもちまたその価値観に共感して応募したところ運よく参加することができました。

6月中旬から3.5カ月のスケジュールで、だいたい1ヶ月経ったところ。
何がおもしろいの?どんなおもしろさがあるの?でひたすら頭ひねっています。

正直、”おもしろいものを産み出す発想方法”というのは、まだはっきりとした解を自分の中では持てていない。
ただ少しずつつかんできたこともあるので、現時点の授業内容の整理を多少自分なりの解釈を交えてまとめてみます。

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コンセプトシート

アイディアを産むのは古典「アイディアの作り方」でも言われているように、組み合わせが大事だと思います。

しかし、どう組み合わせるのか、もしくはネタはどうやって持ってくるのか。そこに定石ってあるような無いような。
ひらめきもあれば、なにかとっかかりから論理的に解きほぐしていったり。
”センス”を磨くために普段から好奇心と研究心を広く深く持つことぐらいか。

一方で、産まれたアイディアを整理する方法はわりと定石があるように思います。
5W1H”という奴です。

ゲームを題材にして、コンセプトシートなるものを作ってみました。

真ん中に置くのはコンセプト。
例えばMineCraftであれば以下になるでしょうか。

LEGOのブロックで思うままの世界を創り、仮想世界で他プレイヤーと生活する。」

何をもとに、どんな楽しさを体験するゲームなのかを一言で言い表す。

これを5W1Hで要素を詰めていくとしっかりとした骨組みが作れます。

ポイントは世界観とシステムで組み立てることかなと”現時点”では思います(←この辺は日々ブラッシュアップ)
どんなキャラクターがどんな世界観で、何を目的にどういった動機でどのように遊ぶのかということです。
オンラインゲームだと後者がより重要なものとなり、家庭用ゲームだと前者の比重が高くなるという印象です。

また、忘れてならないのはターゲットという視点です。訴求ポイントにつながっていきます。

マスなのか特定ニッチ層なのかというセグメント、もっと具体的に30代独身男性とか主婦層のようなプロファイル、PCゲームやGreeなどのようなデバイス/プラットフォーム、そして国内なのか海外なのかという地域などが入るでしょう。

こういう工程をじっくり行うことで、ヒットタイトルを皮変えしただけの作品に陥らないようにしていきたいものです。