ソーシャルゲーム異業種マッチ

ふと思いつきでまとめてみる。
コンシューマー産業においてSNSのプロモーション活用はだいぶ前から進んでいたわけだが、ソーシャルゲームの活用もだいぶ増えてきている。
ここではIPの提供ではなく、自社で運営しているケースを拾った。*1

■ポータル提供
サントリータウン
https://ssl1.suntory.co.jp/apl/btc/cu/top
ヤマダ電機
http://yamada-sns.com/login

■自社運営コンテンツとして提供
トヨタ
http://metapolis.toyota.co.jp/
グリコ
http://www.icenomi.com/oshimen/index.html

随時追記。

*1:一人で遊んで終わりのようなものは除外し、ソーシャル要素(複数参加や結果を共有して楽しむもの)があるものに絞った。また、シリアスゲームも除外している。

ボードゲーム会#8参加してきた

中野のフローチャートというお店が会場でした。
手前に中腰くらいの高さのテーブルが2つ、奥に深く座れるリビングテーブルのようなものが一つ。
そして壁の棚にはボードゲームがいっぱい。
リラックスしてゲームを楽しめる、いい雰囲気のダイニングバーでした。
ここで昼間からのんびり酒飲みながらゲームやれたら極楽な休日を過ごせそうです。

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スマフォは秋か

http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20120517_531039.html

カプコン自社サイト 6/28
ヤバゲ 8/2
スマフォ 秋

各チャネルごとのスケジュールが発表された
スマフォは1シーズン遅らすようだ
PC版のソースがある程度固まってからスマフォ開発するんかな

ゲーム内容としてはクエストがアドベンチャー寄りになりつつあるみたいだ。追加コンテンツでは分岐ルートも出てきそうな。
どんな仕上がりになるのか
引き続き注目

鬼武者Soulの注目点

カプコンから鬼武者Soulが6月28日リリース予定だ。
先日はクローズドテストが実施された(4/27〜5/1)。

個人的に大注目のタイトルであり、注目ポイントを整理してみる。

ゲーム性はブラゲで主流のコンクエスト型ではなくクエスト進行型だそう。今はやりのソーシャルゲームのノリに近いようだ。
ここにスマフォアプリでもちょこちょこ見られるようになってきた(拡散性ミリオンアーサーなど)、アニメーションやボイスを交えたリッチコンテンツで、先行コンテンツとの差を出そうとしている。

実はゲーム性には大して期待していなかったりする。
こういう方向性はいわば劣化MMOとか劣化家庭用ゲームを想起させるからだ。
大規模対人を抑えて、村づくりやストーリー進行を重視してるというところである。

しかし、本作はこれだけではなく、ブラウザゲームならではのおもしろさに取り組んでいる箇所がある。

マルチデバイスを全面に打ち出してきているところだ。
ブラウザゲームのデバイスとしての特性は場所を選ばずに、家、会社、外出先などでやれるところ。
本作はここで相当野心的な試みをしている。

1.ブラウザ&スマフォアプリの同時展開

PCゲーム→プラグイン(UnityWebPlayer)
スマフォ→ダウンロードアプリ(Unity)

#どうやらスマフォでも全コンテンツ遊べそうな雰囲気。

2.チャネル間、デバイス間で、共通ワールド

PC→カプコン自社サイト、YahooMobage
スマフォ→iOS、Andoroid?

#これらは入口が違うだけで、同一ワールドに接続できるそう。


ここまでやるなら、きっと(少なくともコナミ自社サイトアカウントなら)、スマフォとPCで同一アカウントでプレイできそうです。
となると、以下のようなプレイスタイルができそうなわけで。


【朝】
家→PCでイン
電車→スマフォでイン
会社→PCでイン
【昼】
昼飯→スマフォでイン
ネカフェ→PCでイン
【夜】
電車→スマフォでイン
家→PCでイン


ゲームに使う余暇時間は限られているわけで各エンタメのパイの奪いわいなわけです。携帯のソーシャルゲームのヒットは隙間時間にうまくはまったからだとも分析されています。
そこで本作なんですが、ソーシャル・家庭用跨いで、断片的な余暇時間というものを、これ1作で押さえられるだけのポテンシャルです・・・・。

課題もたくさん見えてて、ほんとに6月に出るんかい!と疑わしくもあるわけですが。

・PC/スマフォの並行開発のボリューム
いくらUnity使ってるからといって、共通化できるのは一部分だろう。
マシンリソースや解像度を考えれば、PCとスマフォの実行ファイルはそれぞれ開発しなければならない。
アセットファイルだって元ネタは共通だろうが、スマフォ用に軽量化したりチューニングは必須ですよね。。
クライアントサイドは実質別アプリの開発になるような。
・同時展開のタイムラグ
リリース後の話になるが、スマフォのダウンロードアプリは審査があり、メンテナンスの即時性に欠ける。
ブラウザなら運営側だけの要素でアップデートできるわけだが、スマフォ⇔PCの同期が必要だったら追加アップデートのタイミング調整などに苦慮しそうだ。

ブラウザゲームとして作るだけでも大変そうな内容なのに、さらに野心的なワンコンテンツ、マルチデバイスを志向しているわけで。
テストプレイがPC限定なところをみると、スマフォはPC版が固まってからの後日リリースになりそうですかね。
カプコンがどう手綱さばきしてくるのか、野次馬根性全開で注目していまっす。
個人的には「電波人間のRPG」のような方向性の方が好きだし、ゲームとしても可能性感じるんですがね。

なお、開発姿勢もかなり丁寧でユーザとのインタラクティブなフィードバックを進めている。

http://cog-members.oni-soul.jp/index.html

こういった製品開発手法にも注目しています。

enchant.js meetupに参加してきた

午前はパスで、お昼からの参加でした。

ATNDのスケジュール
http://atnd.org/events/26921

各セッションのスライド

「enchant.js でゲームを作るコツ」

「gl.enchant.js で始める WebGL 3Dプログラミング」

「enchant.jsロードマップと9leap2012」
※スライド早すぎて見づらい。。けど会場での話はとても濃かった。

旬ネタ、コーヒーのお話も。
「CoffeeScript+enchant.jsでクロージャが気持よくかけた話」


gl.enchant.jsやanimation.enchant.jsのスライドが見つからない。
この辺が技術的な話多くて後で見返えそうとなんて思ってたので残念。また後日探そう。
(4/25追記 @shi3zさんのコメントでgl.enchant.jsのスライドアップ先を教えてもらいました。ありがとうございます。)

メンバー構成は学生が3,4割、社会人が残りといった構成(途中会場で挙手した場面があった。

主に注目したところを箇条書き。

  • やっぱりハイエンド化進んでいる。
  • 次バージョンではWebGLの取り込みをすすめ、アニメーションやモデリングもだいぶ拡大するもよう。
  • たとえば多点移動やゆらぎなどがメソッド一発でできる。(もう実装されてたかも。記憶あいまい
  • widget.enchant.jsでスマフォでのドラッグ&ドロップができる
  • MMD*1をjsで書き直したというところには吹いた(次バージョンのgl.enchant.jsがだいぶ力作のようす。
  • 音声だけはFlash(ですよねえ・・・
  • 著者ぜっさん募集中
  • クロージャもうちょい勉強しよ。てか、jsほんと本格的に勉強しよ。
  • CGのassetとしてDoGAが使える


自分は普段あまりコード書かないですが(今回もロクに触らずに参加してしまった。。)、enchant.jsは削ぎ落とされているので、
ゲームの骨格を手軽に勉強できるのが気に入っています。(html5APIもね)
業務はすでにブラゲやスマフォも肥大化しすぎて一人で全部を見るのは不可能なものになってきている。
分業が必須になってるわけだが、それだとゲーム性をなおざりにしてディテールだけにとらわれがちになる。
部分部分の機能を動かすだけで手いっぱいになって、ゲームの"練り"する余裕がなくなるんですよね。
以前のエントリーにも書いたが、まだまだwebゲームって初期のファミコン時代のような空気を持っていてよいと思うんですよね。
「おもろいゲーム」づくりには高機能・複雑化とは別のベクトルに宝が隠れているという予感を持っています。
enchant.jsはBASICやファミコン時代のゲームづくりそのものに目を向けさせるところが私が可能性を感じるところです。

創造力とエゴのsiamese dreams

2008年のSmashingPumpkinsのライブ映像。


ビリー単独でもまったくそん色ない。


つくづく独裁的なバンドだったんだなーという感想もあるけど、なんでバンド形態にこだわるんかと考えてまう。
90'sのSmashinPumpkinsを知っている人で新ベーシスト見てダーシー連想しない人はいないと思う。
独りでもスマパン名乗れる態度を見ると、バンド形態なのはビリーの頭の中の理想像を具現化してるだけで、大事なのはビジュアルイメージ(ベーシストは女の子!、ドラムはマッチョ!)であり各パートに誰が入るかなんてどうでもいいことなんだなあ。
それとも一番良かったころ(Gishらへん?)への郷愁に囚われているんだろうか。

独りじゃだめなくせに、人に自分のイメージとおりの振る舞いを強要する。
だから離れていき独りになるのに。エゴってやつはほんと魔物だぜ。

創造力とエゴはsiamese dreams*1なのかという命題が浮かぶ。

この題材のケーススタディはミュージシャンにはたくさんある。
ビリーと極端に似ているのは同時代のGuns'nRosesのアクセルローズだ。
同じく独裁者ながらバンドに囚われバンドという衣をまとっただけのソロ活動中だ。
ビジネス的な側面も強いと思われるが(コンサートの動員力やNewAlbumのニュース性など利はいくらでも挙げられる)、
なぜソロで活動できないのかという点にはこれだけでは割り切れない。
バンドからソロ転向して成功した例も多いからだ。Buffalo Springfieldの二ールヤング、genesysのフィルコリンズ、Destiny's Childのビヨンセなどは今やソロとしての方が有名なくらいだ。

こんなことが気になるのは創造力とエゴの話に加えて、音楽というものが独りでつくるものではない(だからこそビリーもアクセルもバンドにこだわるのでは)ことも合わせると、webやゲームでイノベーティブナ製品をつくりだすと言うことにもアナロジーできる気がするからだ。

クリエティブを突き詰めるとある特異な能力の持ち主が独裁的に製品のディテールまで取り決めるかたちに行き着くと思うが、一方でリーダーのビジョンに共鳴したたくさんの人や組織が力を尽くすことで革新的な製品というのは”脱皮”して世に広まっていくのだと思う。

いったいどこまでをビジョナリーの人間が抱え込み、どこからが他の人に委ねるべきなのか。

同じく音楽の世界でケースを探すならば、この点において素晴らしいグループだと思えるのはLedZeppelinである。

ジミーペイジは自分の得意なことをよくわかっていた。
一方で、ジミーペイジは自分の限界もよくわかっていた。
そして、ジミーペイジは他の人への敬意を持っていた。(ジョーンジーだけはいじめられてたみたいだけどね^^;)

ギタリストとして常に自分の上をいく人物と向き合わざるをえなかったこと(エリッククラプトン、ジェフベック、ジミヘンドリクス)、そして素直に彼らを賞賛し認められる性格がこれらの資質を徹底的に研ぎ澄ませたように思う。

歴史を振り返ると同時代の同分野(加えて言うと、産業の勃興期や成長期)に優れた業績を残した人物が大量に生まれることもこういうことなのではないかと思う。

自分の資質と徹底的に向き合い、特異なところを伸ばして生き残る術を見つけるサバイバルが相互作用を及ぼし一度に大量の傑出した才能を育むのではないかということだが、
そこには自分がどうあがいても勝てないというライバルが必要なんじゃないかな。
地理的な意味で集まるというのはこうした刺激を発動しやすいわけで、60'sロンドンや90'sシリコンバレーは素敵な空間だったんだろうな(その場にいたらものすごい競争社会ですぐにギブアップしそうだけどね)。

2010年代の日本の"ロンドン"はどこにあるんでしょうね。やっぱ六本木!?w

*1:SmashingPumpkinsの2ndアルバムのタイトル。http://en.wikipedia.org/wiki/Siamese_Dream

家庭用ゲーム機の歴史からブラゲの野心的な経営戦略を妄想する

ブラゲもずいぶんハイエンド化が進んできました。

アニメーションやサウンドは当たり前、ついに3Dも一般的になってきたわけです。
しかし、業界にいるとリッチコンテンツを作るには躊躇というか壁があるなと思います。

なぜか?

そりゃーブラウザのサポートが一筋縄ではないからですね。
ゲームデベロッパー側から言えばブラゲでゲームを出す最大のメリットって普及台数による潜在顧客数の多さですよね。

PC台数*1≒ブラウザインストール数

ここが担保されてることが大事なことなわけです。
集客という点では、SNSやゲームポータルのようなゲーム人口の密度も大きな要素になるけど、ブラウザのサポートはあくまでローカルホスト側のお話。
なんらかのプラットフォームに載せるにしてもブラウザのサポートを無視して技術を採用することはありえません。

HTML5のサポート状況

HTML5が大騒ぎされてますけど、対応状況はまだこんなもの。

http://www.findmebyip.com/litmus/

とくにAudioがやばい。フォームもグラフィックもまだまだですね。
いったい今HTML5で3D(webGL)やサウンド(Audio API)を用いたゲームを作るとリーチ率はいくらになるのか。

0%でっす!*2

webGLの普及状況
Audio APIの普及状況

adobeはここを逆手にとって、リーチ率によるfalshの優位性を打ち出しています。

http://www.slideshare.net/otachan/html5flashweb

とても勉強になる資料です。というか私はこれでHTML5を構成する技術要素を覚えていますw(だって多杉)

これはFlash VS HTML5なんですが、ブラウザベースのゲームを実現するプラグインはまだまだあります。

HTML5
Flash
Silverlight
・UnityWebPlayer インストール数1億2500万(2012.4)
・NativeClient(NaCL)

さて、そろそろ本題へ。

始めにゲーム会社視点では、ブラウザでゲームを出す最大のメリットは圧倒的な潜在顧客数の多さだと言いました。
この点から言えばリッチなゲームを作りたいならFlash一択になるわけです。

スクエニFlashでPS2レベルのゲームをブラウザで実現

家庭用ゲーム機の歴史でアナロジーすれば、スーファミPCエンジンメガドライブが並んでてスーファミを選択するようなもんです。
当然ですね。だってお客さん多いんだもんwせっかく作った奴なんだから売りたいもんww

上記adobeエバンジェリストのスライドでもflashの生き残る道として、ビデオと並んでゲームが挙げられています。

じゃあなんでflash一択にならないで、UnityやHTML5に力入れてるゲーム会社がいるんでしょうか。

ばかなんじゃないの

いいや、もうちょいまじめに理由考えてみましょう(だって今の会社がそうだから><;)
ぱっと思いつくのは以下でしょうか。

・社員のモチベ向上
・人材の確保容易性
・開発の生産性
・スマフォ

社員のモチベ向上と人材の確保容易性は双子みたいなもの。要は、”今風の技術でかっこいい!”ってことやね。
おとなりのweb業界との境界がシームレスになり人材市場の拡大にもつながります。
開発の生産性は、情報収集が容易だったり、ゲーム用素材(asset)がたくさん流通されているということが挙げられます。
スマフォはiPhoneflash出禁がすべてですね。

しかし、それだけでレッドオーシャン化しじょじょに複雑化・ハイエンドが進展しつつあるブラゲ/ソーシャルゲ市場に
後発企業がわざわざflash以外で攻め込む理由が弱いと感じられます。
iPhoneはほんとでかいけどね。でもしょせんスマフォなんだよね。今すぐPSレベルのゲームになったりしないんだよね。

HTML5&Unityに重点シフトしている会社でやってる私はどうすればいいの。。

PCエ○ジンでゲーム作りたくないよおおおおおおおおおお(今さらながら伏字。。)

発想の起点

でもここで発想の起点を間違っていたことに気が付きました。

そもそもなんでスーファミが王者になったのか。

マリオやドラクエといったキラータイトルがあったからですよね。
スーファミが欲しくて買うんじゃなくて、マリオをやりたいからスーファミを買ったわけです。
そして、収穫逓増の法則が働き、強者ますます栄える。すなわちソフト会社が続々引き寄せられ任天堂の一人勝ちのエコシステムができあがりました。

発想の起点
×スーファミが普及台数多いからゲームを出す
キラータイトルを作れたからスーファミの普及台数が多くなった

後発会社だったらもうスーファミ普及後の世界でもの考えた方がいいんでないの?という考え方もありますが、
ブラゲはまだまだ黎明期です。とゆうかPCの普及台数に比べてブラゲやってるやつなんてほんの一握りのカスwwいや先見性のあるEaryAdopterです(キリッ
状況はまだまだファミコン登場前夜くらいの歴史観のほうがいいかもしんない。
とくにリッチコンテンツについてはそういう要素が強い。

そう。ブラゲの技術選択において、今の普及率を考える必要なんてないのである。

われわれのタイトルで技術を普及させてやる
これくらいでいいんじゃないかと思いついた次第である。

新・経営戦略
Unityのリーチ率(今は10%弱?)をわれわれのタイトルによって20%まで向上させる

うーん。これだと今一だな。だってUnityで作れるゲームってジャンルがわりと画一的だし。。プラットフォームよりもちょい上のRPGつくーる的なレイヤーなんだよね、ゲームエンジンだから。ジャンルが限定されておもろくない。

新・新・経営戦略
ChromeのNaCLのリーチ率をわれわれのタイトルによって20%まで向上させ、chromeを家庭用ブラウザのNo1に押し上げるようなタイトルを世に出す。

うむ。

*1:※全世界の稼働ベースのPC台数は10億台(2008年時点)。
http://japan.internet.com/busnews/20080624/10.html

*2:※各ブラウザの完全サポート率。ただし、webGLはマシン環境により48.4%となる。