鬼武者Soulの注目点

カプコンから鬼武者Soulが6月28日リリース予定だ。
先日はクローズドテストが実施された(4/27〜5/1)。

個人的に大注目のタイトルであり、注目ポイントを整理してみる。

ゲーム性はブラゲで主流のコンクエスト型ではなくクエスト進行型だそう。今はやりのソーシャルゲームのノリに近いようだ。
ここにスマフォアプリでもちょこちょこ見られるようになってきた(拡散性ミリオンアーサーなど)、アニメーションやボイスを交えたリッチコンテンツで、先行コンテンツとの差を出そうとしている。

実はゲーム性には大して期待していなかったりする。
こういう方向性はいわば劣化MMOとか劣化家庭用ゲームを想起させるからだ。
大規模対人を抑えて、村づくりやストーリー進行を重視してるというところである。

しかし、本作はこれだけではなく、ブラウザゲームならではのおもしろさに取り組んでいる箇所がある。

マルチデバイスを全面に打ち出してきているところだ。
ブラウザゲームのデバイスとしての特性は場所を選ばずに、家、会社、外出先などでやれるところ。
本作はここで相当野心的な試みをしている。

1.ブラウザ&スマフォアプリの同時展開

PCゲーム→プラグイン(UnityWebPlayer)
スマフォ→ダウンロードアプリ(Unity)

#どうやらスマフォでも全コンテンツ遊べそうな雰囲気。

2.チャネル間、デバイス間で、共通ワールド

PC→カプコン自社サイト、YahooMobage
スマフォ→iOS、Andoroid?

#これらは入口が違うだけで、同一ワールドに接続できるそう。


ここまでやるなら、きっと(少なくともコナミ自社サイトアカウントなら)、スマフォとPCで同一アカウントでプレイできそうです。
となると、以下のようなプレイスタイルができそうなわけで。


【朝】
家→PCでイン
電車→スマフォでイン
会社→PCでイン
【昼】
昼飯→スマフォでイン
ネカフェ→PCでイン
【夜】
電車→スマフォでイン
家→PCでイン


ゲームに使う余暇時間は限られているわけで各エンタメのパイの奪いわいなわけです。携帯のソーシャルゲームのヒットは隙間時間にうまくはまったからだとも分析されています。
そこで本作なんですが、ソーシャル・家庭用跨いで、断片的な余暇時間というものを、これ1作で押さえられるだけのポテンシャルです・・・・。

課題もたくさん見えてて、ほんとに6月に出るんかい!と疑わしくもあるわけですが。

・PC/スマフォの並行開発のボリューム
いくらUnity使ってるからといって、共通化できるのは一部分だろう。
マシンリソースや解像度を考えれば、PCとスマフォの実行ファイルはそれぞれ開発しなければならない。
アセットファイルだって元ネタは共通だろうが、スマフォ用に軽量化したりチューニングは必須ですよね。。
クライアントサイドは実質別アプリの開発になるような。
・同時展開のタイムラグ
リリース後の話になるが、スマフォのダウンロードアプリは審査があり、メンテナンスの即時性に欠ける。
ブラウザなら運営側だけの要素でアップデートできるわけだが、スマフォ⇔PCの同期が必要だったら追加アップデートのタイミング調整などに苦慮しそうだ。

ブラウザゲームとして作るだけでも大変そうな内容なのに、さらに野心的なワンコンテンツ、マルチデバイスを志向しているわけで。
テストプレイがPC限定なところをみると、スマフォはPC版が固まってからの後日リリースになりそうですかね。
カプコンがどう手綱さばきしてくるのか、野次馬根性全開で注目していまっす。
個人的には「電波人間のRPG」のような方向性の方が好きだし、ゲームとしても可能性感じるんですがね。

なお、開発姿勢もかなり丁寧でユーザとのインタラクティブなフィードバックを進めている。

http://cog-members.oni-soul.jp/index.html

こういった製品開発手法にも注目しています。